ホーム / コラム / 補助金・助成金・融資

COLUMN

補助金・助成金・融資、なにがどう違うのか

行政書士 保利澄香 補助金・助成金・融資

「補助金とか助成金とか、何か使えるものはないですか」。事業者の方からのご相談は、たいていこの形で始まります。もちろんこの聞き方で全く問題ないのですが、3つの言葉の性格の違いを先に知っておいていただくと、そのあとの話がぐっと早くなります。

ざっくり言うと、こう違います

  • 融資 — 借りるお金。返す必要があります。そのかわり金額が大きく、使い道の自由度が高く、タイミングを選べます
  • 補助金 — 原則返さなくてよいお金。ただし審査で競争があり、採択されるとは限りません。そして多くの場合、先に自分で払って、あとから一部が戻ってくる形です
  • 助成金 — こちらも原則返さなくてよいお金で、要件を満たせば受けられる性格のものが多い分野です。なお、雇用に関する厚生労働省系の助成金は社会保険労務士の業務範囲なので、当事務所ではお引き受けせず、ご希望があれば専門家をおつなぎします

いちばん誤解が多いのは補助金の「後払い」です。100万円の設備に3分の2の補助が出るとしても、まず100万円を自分で支払う必要があります。だから実務では、補助金と融資はライバルではなく、組み合わせて使うものになることが多いのです。立て替えの資金を融資でつくり、補助金で回収する、という順番ですね。

もうひとつ、実務でいちばん事故が起きやすい注意点も書いておきます。多くの補助金では、交付決定の前に発注・契約した経費は対象外です。採択の通知が来て、嬉しくてすぐ発注してしまうと、その経費がまるごと補助の対象から外れることがあります。採択と交付決定は別の手続きで、あいだに書類のやりとりが挟まるのです。

時間の感覚も具体的にお伝えします。たとえば春に公募が締め切られる補助金なら、審査に2〜3か月、採択の発表が夏、交付決定を経て発注・支払いを済ませ、実績報告と検査のあとに入金──手元にお金が戻るのは早くて年末、年度をまたぐことも普通です。この長い立て替え期間を融資でつないでおくのが、先ほど書いた「組み合わせ」の実際の姿です。

「もらえるなら何でも」は、実は遠回り

もうひとつお伝えしたいのは、制度から発想すると失敗しやすい、ということです。「この補助金がもらえるらしいから、対象になる設備を買おう」という順番で動くと、事業に本当は要らない投資をしてしまいます。補助が出ても持ち出しはありますから、要らないものを割引で買っているのと同じことになります。

順番は逆で、まず「事業をどうしたいか」があって、その計画に合う制度を探す。当事務所のご相談も、制度の名前ではなく、事業の内容と、いつまでにいくら必要かをうかがうところから始めます。そのうえで、いま応募できる制度と、次の公募を待ったほうがよい制度を仕分けしてお示しします。該当する制度が見当たらなければ、その旨を正直にお伝えします。

融資は「代わりに交渉」はできません

融資について正直に書いておくと、当事務所が金融機関との交渉を代理することはできません。お手伝いできるのは、創業計画書・事業計画書・資金繰り表といった、面談で説明するための材料を整えるところまでです。ただ、この材料の出来が面談の質を大きく左右するのも事実で、何を聞かれやすいか、どう答えると伝わりやすいかまで含めてご一緒しています。

ちなみに創業融資の面談で聞かれることは、だいたい決まっています。自己資金をどうやって貯めたか、売上予測の根拠は何か、返済の原資はどこから出るのか。この3つに、ご自身の言葉で、数字を挙げて答えられるように準備しておく。書類づくりの段階から、面談のこの場面を想定して組み立てていきます。

補助金も同じで、採択の可否を決めるのは審査機関ですから、結果をお約束することはできません。私たちにできるのは、事業の強みが審査の観点に沿って伝わる書面に仕上げることです。このあたりの「書面の作り方」の話は、別のコラムで詳しく書きます。

初回のご相談と制度の洗い出しまでは無料です。まだ構想の段階でも構いませんので、お問い合わせフォームからお声がけください。

出典・参考(いずれも行政機関の公表資料です)

本コラムは制度の一般的なご説明であり、特定の事案に対する法的助言ではありません。個別の事案についての法律判断・見通し、示談交渉、裁判手続の代理は行政書士の業務範囲外となりますので、必要な場合は提携の弁護士・税理士・司法書士をご紹介しています。

記載内容は執筆時点の情報にもとづいています。制度・運用は変わることがありますので、実際のお手続きの前に最新の情報をご確認ください。

→ 補助金・助成金・融資のご案内を見る → コラム一覧へ戻る

CONTACT

まずは、お話をお聞かせください。

まだ内容が固まっていない段階からで大丈夫です。お問い合わせフォームからお送りいただければ、行政書士より直接お返事します。初回のご相談は無料です。

婚前契約・補助金・相続・農地転用などのご相談はお問い合わせフォームで承っています。
TEL 050-5051-1325(官公庁・警察署からのご連絡用)