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住宅の補助金は「契約する前」が勝負です

行政書士 保利澄香 住宅関連補助金

住宅の補助金のご相談で、いちばん切ないのが「先週、契約しちゃったんです」というお電話ならぬお便りです。調べてみると、契約前に申請していれば使えたはずの制度がある。でも契約後では、もうエントリーの資格がない。金額にすると数十万円の差になることもあります。

家そのものの検討はあんなに時間をかけるのに、補助金の確認だけが後回しになってしまう。これは施主さんの落ち度ではなくて、制度の仕組みがそうさせているのだと思います。

なぜ「契約前・着工前」なのか

多くの住宅系の補助制度は、契約前や着工前の申請を条件にしています。理由は制度の目的にあります。補助金は「これから起きる行動を後押しする」ためのお金なので、すでに契約済み・着工済みの工事は「後押ししなくてもやった工事」と扱われてしまうのです。

もちろん、完了後の実績報告で受け取る形の制度や、事業者経由で申請する制度など、タイミングの設計はさまざまです。ただ、施主として安全側に立つなら、覚えるルールはひとつで足ります。「ハンコを押す前に、使える制度を確認する」。これだけです。

制度は三層あります。見落としやすいのは足元です

住宅関連の支援制度は、国・都道府県・市区町村の三層に分かれています。ハウスメーカーや工務店が案内してくれるのは、多くの場合、自社が事務局に登録している国の大型制度です。ここは事業者経由の申請になることも多く、お任せで問題ありません。

見落とされがちなのが、都道府県と市区町村の独自制度です。太陽光・蓄電池への上乗せ、子育て世帯の取得支援、三世代同居の改修支援など、自治体によって驚くほど差があります。事業者側も全国すべての自治体の制度を追いきれてはいないので、「メーカーから案内がなかった=使える制度がない」ではありません。

さらに、同じ工事に対して重ねて受けられる組み合わせと、併用できない組み合わせがあります。どれを取るといちばん手元に残るのか、ここは個別に計算してみないと分かりません。

金額のイメージも挙げておきます。たとえば新築なら、国の子育て世帯向けの制度で数十万円から100万円規模、そこに自治体の太陽光・蓄電池の上乗せが数十万円、と組み合わせを整理していったら合計が150万円を超えた、ということが実際に起こります(金額も要件も、年度と自治体で変わります)。この規模のお金が「申請の順番を知っていたかどうか」だけで左右されるのが、この分野の怖いところです。

ご自身で調べる場合の実務的なコツもお伝えします。検索は「お住まいの市区町村名+住宅+補助金」で、まず一覧が出ます。制度のページで確認するのは3点だけ。申請のタイミング(契約前か着工前か)・予算の受付状況・ほかの制度との併用可否です。工務店さんに聞くときも、「何か補助金ありますか」ではなく「この工事で、国の制度と市の制度それぞれ何が使えて、申請はどちらがやりますか」と聞くと、返ってくる答えの精度が変わります。

予算切れという時限もあります

もうひとつ知っておいていただきたいのが、多くの制度には予算の上限があることです。受付期間内であっても、申請が集まれば締め切られます。人気の制度ほど早く終わります。「年度末までやっているから大丈夫」と思っていたら秋に受付終了していた、というのはよくある話です。制度の名称・要件・金額も年度ごとに変わるので、去年の情報で計画を立てるのも危険です。

当事務所の制度診断は無料です

当事務所では、ご計画の内容(新築か改修か、設備の種類、世帯構成、建築予定地の自治体)と契約・着工の予定日をうかがって、制度の名前・条件・金額の目安・期限を一覧にしてお渡しする制度診断を無料で行っています。すでに事業者さんが代行している手続きがあれば、重複しないように切り分けるところまで含めてです。診断の結果、使える制度が見当たらなければ、そのままお伝えします。

交付の可否を決めるのは自治体や事務局ですので、必ず受けられるとお約束することはできません。それでも、「知らないまま期限が過ぎた」だけは避けられます。日程が決まりつつある方ほど、お早めにどうぞ。ご相談はお問い合わせフォームから承っています。

出典・参考(いずれも行政機関の公表資料です)

本コラムは制度の一般的なご説明であり、特定の事案に対する法的助言ではありません。個別の事案についての法律判断・見通し、示談交渉、裁判手続の代理は行政書士の業務範囲外となりますので、必要な場合は提携の弁護士・税理士・司法書士をご紹介しています。

記載内容は執筆時点の情報にもとづいています。制度・運用は変わることがありますので、実際のお手続きの前に最新の情報をご確認ください。

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